【メガネの聖地・鯖江】スキルの高い職人の存在なくして鯖江は語れない!

国内シェア約95%、就業人口における眼鏡産業従事者の割合約6人に1人、事業者数531(平成20年工業統計調査・鯖江市独自集計より)。

鯖江は日本のみならず世界にも知られたメガネの産地として有名だ。

 
鯖江とメガネとの関わり合いは1905年にまで遡る。雪が多く、冬の産業のない地元の暮らしを向上させるために、福井市生まれの増永五左衛門が、農閑期の副業として大阪や東京から職人を招き、村人たちにメガネの製造技術を伝えたのが始まりとされている。

以降、手先の器用さを生かした製造スキルの向上、創造性あふれる新素材、新機能を開発し続けてきた。

 
中でも鯖江を世界的に有名にしたのが、1980年代にチタン製フレームを世界に先駆けて量産化したことだろう。

今では世界基準素材ともいえるチタンを30年以上も前に量産化したという事実は鯖江の技術力を世界にアピールするよい機会となった。以降、鯖江は高品質なメガネの産地としての地位を確立する。


鯖江を語るうえで欠かせないのが職人たちの存在だ。分業制を礎にしているだけあり、それぞれのスペシャリストを多数擁している。それが融合して製造されるメガネはまさにスペシャルなモデル。このあたりも鯖江の強みと言える部分だろう。


もちろん、すべての行程を自社内でまかなえる大手企業のパターンもあるが、ベースはやはり職人だろう。その共通の特徴はスキルの高さに他ならない。


近年ではその高い技術力を生かし、チタン材などを加工した医療分野や、電子機器などのパーツ製造の分野にチャレンジする企業もでてきているという。

 



 

「一部の行程は他の職人さんにお願いすることもあるけど、ほぼメガネ作りの1〜10までしているね。プラ枠が主だけどコンビ枠も作ります。」

(プラ枠/コンビ枠職人・内田孝昭さん)

 
「メガネ作りに必要な金型や地具の製造をしています。金型を起こす瞬間が緊張しますね。0.1mm違ってもそれが量産されてしまいますから。」

(金型職人・服部勲さん)

 
「メタルやコンビメタルフレームを製造しています。迷ったときは、お客様の利益になるほうを選ぶよう心がけていますね。」

(メタル加工職人・丹羽雅彦さん)

 
「シューティングとは異なり芯張りは密着させるときにきちんと板の真ん中に芯が入るかどうかが難しい。でもその分、仕上がりは美しいですよ。」

(芯張り職人・藤田睦さん)

 
「セルフレームの研磨から組み立てまでを行います。繊細な作業が多いですが、お客様に満足してくれることを考えると一切、手は抜けません。」

(研磨職人・五十嵐武美さん)

 

 


※宝島社MOOK メガネがわかる本出典

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